昭和四十八年五月二十日  夜の教話

 ああせねばならん、こうせねばならん、と言うたところで、今日は.指一本動かすことすら、私共自身では出来んのが、私達だと分からせられたところから、本当の任せるという心が生まれてくると思うですね、そしてその任せる心で、任せ切った心で、どうぞお役に立ちたいの一念を燃やすことが、最近いわゆるご神徳を受ける世界だとこういう..ね。
お役に立ちたい。

 もうとに角あの根本は、もうどうする事も出来ない.実際は、ああもしたい、こう有りたい、こうしちゃならん、ああしちゃならんと、してわかっとっても、それが出来たり、出来きなかったり、して見ると神様の御陰を頂かなければ、出来ることじゃないわけですよね。え..いつも夜の御祈念は、もう御無礼して、御祈念が済んだあとにでも出てくるぐらいですけども、今日は何とはなしに、こう早く出たいと何かせかれるような思いでここへ出らせて頂いたとたんに、電話がかかった、もうどうでも私でなからならんて、直方から行本さんの電話であった。

 今日私、昼もいつも二時に、いつもの先生と変わるんですけども、今日は十二時過ぎまあ、一時の御祈念の前に私出らせて頂いた、そしてここに座らせて頂いてから、フっと気が付かせて頂いたら、丁度.ん..福岡の方達ばあっか続いて参った、思いがけない人達がですね、最近珍しいあの岡本さんという人が、参ってきてそれから、椛目時代に参ってきたことのある井上さんというのが参って、内山さんという方が参ってきた、それから、松岡さんたちの家族が帰せずしてここで二組一緒になった。

 福岡の松岡さん、それから.ん..原さん所の福岡いっとるあつこさん達が、親子三人連れで参ってきた、それから、安藤さん達が夫婦が参って来た、それからあの大丸さんが参って来た、そいであら、ずーと福岡ばかりたいち言うてからあのお届け.あの.あれして.したら、一.二.三.四.五.六.七.八.九.十.一.二.ですから.あ..二十二名私あの丁度三時頃までにですね、福岡がずーと続いた、だから私は最後に参ってくるだけ見てごらん、福岡の人ばっかりよ、と言いよっところに.又福岡の人が参って来るね..

 今日はあんた達が参ろうと思って参たっちゃなかろうが、参らされとるとじゃろうが、日田の人達が続くと日田の人達がずらーと続く、こういう事を私お届けの上にいつもこう感じるわけですね、私もう本当にあの自分で参っと思う、参らせられよる、参ろうと思いよる、何とはなしにそう模様されてきよると.ですからね、そのどうにも出来ない、それから、又崩れてずーと今度.後.又あ..丁度四時やんがて今日四時半まで、え..神戸.四国方達と遠方からのお参りがある。

そいでえ..まあ結局ん..五十何名の方達のお取りつぎのさせて頂いたんですけれどもね、そういう.その..え..本当に.どうしょうこうしようというてもどうにも出来ない世界にある私だから、任せるより他にない、それでいてもやはり.痛ければ痛い、かゆければ痒い、と思うから.まあ.お願もする、お取り次ぎも頂くけれどもです。それは、やはり生き取るから、ああしたい、こうしたいと思うけれども.思う通りにならんのが、実際浮世であると言うことであってね、いわゆる.指一本だって動かす事すらが実際は出来ないのが私達だとわからされる所からね、結局委ね任せるという信心がまず出けて、それでいて、尚且つほならどうにか、どうとかなろうといったような、投げやりな物でなくて、お役に立ちたいという一念を燃やせとこうのです。

 そこから、ほなら今日は、例えば私.午後から、いうならば午前中もさることながら、午後充分にお使い回しを頂いたということになる、神様のように使われるから私は、いよいよ徳を受けて行くということになるのじゃないでしょうかね、お役に立ちたい、立ちたいというその一念と、それから指一本動かす事のすらが出来ない.事実を私共が分からせて頂くというところから、私は本当に委ね任せられる信心というが生まれて来る..ね、

 そこんところが、二つの兼ね合いを持って、私はご神徳とは、あ..そこから受けられるのだと、今日は参ってくる人達に、え..皆.私.精さして頂いたことは、もう信心させて頂くものの、いわゆる肝心要の所、その要の所は『天地日月の心になること肝要』と仰るがね、そういうことではなかろうと、今私が申しました、『天地日月の心になること肝要』だと..ね、そいでそこには、ほならあの..精進がないかというとそうではない、いつもお役にたちたいという一念が、精進の姿に成ってきておる。そして神様に適当に御使い回しを頂いておるのですからね。

 本当に今晩ここに出らせて頂いた、電話が掛かって来た、どうでも私でなければ成らない、というようなね、御用に使こうて頂くと、本当に楽しいだけでなくて有り難い..ね。
信心というものはそういう有り難い、楽しい思いで出来るんだと私は思うのですね。
....どうぞ....

平成十七年七月二十七日    渕上順子